広報担当者・PRパーソンが知っておきたいSNS時代の最強PR手法「ストーリテリング」③
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国内ではストーリーの活用はこれから本格化すると思われますが、広報PRパーソンがストーリーを活用するケースとしては、
①企業や組織、創業のストーリー
②危機を乗り越えたストーリー
③商品やサービスの開発ストーリー
④困難を乗り越えた社員のストーリー
⑤顧客や取引先のストーリー
などが上げられます。
また、米国では上記のようなストーリーを、自社メディアの有力なコンテンツとして掲載しているそうです。
その他、ニュースレターやプレゼンテーション、アニュアルレポート等のPRツールや、インナーコミュニケーションのツールとしても積極的に活用されています。
ストーリーといえば必ず登場してくるのがスティーブ・ジョブズです。
MP3プレーヤーが、ソニーやパナソニック、デルやインテルなどといったグローバル企業から発売されていた2000年前後。
これらのMP3プレーヤーと機能麺ではほとんど差がないにもかかわらず、iPadが市場を席巻しました。
「1000曲もの音楽が、
あなたのポケットに!」
MP3プレーヤーを提供している他社のほとんどが、商品の持つ機能の素晴らしさをアピールしたのに対して、この一言のストーリーはiPadの魅力とメリットを表現してたちまち人気音楽プレーヤーとして成功したわけです。
また、現在コロナ禍で厳しい状況にある業界ではありますが、同じような例に民泊予約サイトのAirbnbがあります。
当時、Airbnbは年間の予約数の最大手に比べて約半分の規模で創業も最後発でした。
にも関わらず、民泊サービスと言われて最初に思い浮かべるのは、Airbnbを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか?
他の競合会社は
「これだけの部屋があります」、「これだけの都市で利用できます」、など登録部屋数(リスティング数)など自社サービスの特徴を中心に情報提供していました。
ところがAirbnbは、サービスではなく利用している人に注目した情報発信をしていきました。
リスティングしてる人がどんな人で、どんな旅行者がその家に行くのか、などストーリーになっていたそうです。
つまり、このような差別化されたストーリーがAirbnbのブランドをつくり、マーケティングにも効果的に機能したというわけです。
この例などは、現在注目されつつあるストーリーの進化系ともいえるナラティブ(語ること)的とも言えます。