広報担当者・PRパーソンが知っておきたいマーケティングの基本とは?①
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広報・PRパーソンのためのマーケティングの基本~マーケティングの歴史~
広報・PRパーソンにとって、マーケティングの基礎知識はきちんと押さえておきたいところです。
そもそもマーケティングにはさまざまな定義があるようですが、基本的には
「商品やサービスがどうしたら売れるのか?どうすれば知ってもらえるか?」
というビジネス上の単純な欲求から生まれたものといえます。
マーケティングの本格的な展開は、第二次世界大戦後の米国だといわれています。
戦後になると、生活に必要なものが世の中溢れるようになり、消費者に自分たちの商品やサービスを知ってもらうことが重要になってきました。
そのための媒体として、テレビやラジオのCM、新聞広告や折り込みチラシ、通販カタログやダイレクトメール等が盛んに取り入れられました。
日本では、昭和20年代にテレビ放送が始まり、マーケティングの手段としてもこのテレビやラジオのCM、新聞折り込み等が最も効果を発揮したといわれています。
日本でも、戦後の高度成長期の大量生産、大量消費の波に乗り、電通などの広告代理店などが主導する形で、マスメディアを中心としたマーケティングが展開されていきました。
1990年代になると、インターネットが登場し、その普及とともに広告の場もネットに拡大していきます。
Yahoo!や楽天を始めとした様々なネット上のサービスが開始され、バナー、リスティング、メールやアフィリエイトなどのデジタル広告も広がっていきます。
この広告を仲介するのがネット広告代理店で、広告代理店も従来のマスメディアだけでなくネット全体を含めた取り扱いや効果測定などを求められるようになってきました。
2000年代に入ると、ホームページやブログなどを使って、誰でも自由に情報発信をすることが一般的になってきます。
さらにSNSの登場で、ブログ以上に親密なコミュニケーションが可能になり、個人が気軽に情報発信するとともに双方向性が一般的になりました。
つまりマーケティングでは、SNSの普及とともに、消費者との「双方向型のつながり」が重要な要素になってきたというわけです。
今後ますますSNSがマーケティングで存在感を増していくことが予想されることは、広報・PRパーソンにとって重要な視点になります。
戦後からのマーケティングの流れをみると、テレビや新聞などのマス広告からネット上のデジタル広告、そしてブログやSNSへと一方向性から双方向へ。
さらに、その結果としていいね!やリツイートなど第三者の評価が口コミを生んで商品やサービスの販売につながっていく。
この双方向性や第三者からの情報発信はまさにPRの視点で、今後のマーケティングにPRのノウハウが必要とされる場面がますます増えるということです。
広報・PRパーソンのためのマーケティングの基本~マーケティングの進化~
SNSの登場がマーケティングを変えたとともに、2008年に日本で発売されたiPhoneもマーケティングに大きな影響を与えました。
iPhoneの登場とともに爆発的に普及した持ち歩ける個人メディアとしてのスマホは、消費者のライフスタイル自体も変えました。
企業はスマホに合わせたサイトを作成したり、アプリを提供するなどの対応をしていきます。
アプリがサービスの入り口になると、ネット広告がほとんど表示されなくなるため広告効果が低下してきます。
そのため、LINEなどの企業向け広告サービス等では、SNSの中で話題になったものや個人の興味や関心等に合わせた広告内容を発信するなどマーケティングの手法も双方向性が重視されることになってきます。
また、マーケティングのデジタル化が進んで、顧客の購買行動がデータで見えるようになってきます。
このデータを収集分析することで、マーケティングの精度がより高まってきたとともに、社内での情報共有も可能になりました。
さらにネットとリアルが境目のなくなるオムニチャネル化や、声だけで簡単に買い物ができるアマゾンエコーなど買い物のテクノロジーがどんどん進化しています。