広報担当者・PRパーソンが知っておきたいビジネス心理学(1)「ザイアンスの法則」①
ザイアンスの法則(1)
一歩先を行くPRパーソンになるには、経営についてはもちろんのこと、人間についてより深く知ることが必要になります。
特に心理学は、営業やマーケティングなどでも広く活用されているように、基本的な法則について知り、PR実務にも活用したいところです。
ザイアンスの法則は、1968年にアメリカの心理学者ロバート・ザイアンスによって提唱された「単純接触効果」の理論です。
人はよく知らない人やものに対しては警戒心を抱いたり、攻撃的な態度を取りやすくなります。
ところが、人やものに何度も触れることで警戒心が薄れていき、関心や好意を持ちやすくなるという心理的な効果です。
また、人間的な側面を知るとよりいっそう強く相手に好意を持つ。
ザイアンスの法則では、単純な接触回数や頻度が重要になり、接触時間の長さや内容はあまり関係がありません。
また、長期間使用するより短期間に集中して使った方がより効果的だといわれています。
選挙のPRで、選挙カーから候補者の名前を連呼したり、15秒間のテレビCMを集中的に放映するのもこの効果を狙ったものといえます。
さらに、一度獲得した好意や好感はある程度持続するといわれています。
ただし、逆に最初の印象が悪いと接触回数が増えれば増えるほど嫌悪感を抱かせてしまい逆効果になることもあります。
ザイアンスの法則(2)
ザイアンスの法則をPRやマーケティングで生かすには、
・メディアで露出を増やす
・SNSやメルマガで定期的に情報発信する
・テレビCMなどの広告を出稿する
などが上げられます。
チラシなども反応が出てくるのは、3回目以降などといわれるています。
営業でも、チラシやニュースレター、ハガキなどのツールを繰り返し顧客に送付して接触機会をつくることで、好意度や印象が高まるで販売につながりやすくなります。
特に、ザイアンスの法則がより効果的に働くのが、相手に愛着を持ちやすい人とも言われています。
また、いくら相手と接触頻度を増やすといっても、相手が不快になるような回数や独りよがりのコミュニケーションは逆効果になることもあるので気をつけたいところです。