広報担当者・PRパーソンが知っておきたいマーケティングの基本とは?①
- PRコンサルタント講座検定・講座
広報・PRパーソンのためのフレームワーク入門
これからの広報PRパーソンは、経営層としっかり話ができることが求められてきます。
今後、広報PRパーソンが目指すべき最終的な姿はコンサルタントともいえます。
PRコンサルタントの専門はコミュ二ケーションですが、経営やマーケティングを分析するための基本的なツールを使えるようにもなりたいところです。
経営大学院(MBA)などでは、数百ものフレームワークが教えられているようです。
その中で特にコンサルタントが日常的に利用しているものを活用できるようになると、PR戦略や実施の際にも役立ちます。
フレームワークというのは、経営学者やコンサルタントが情報を整理したり問題を解決するために開発してきたツールです。
ゼロベースで問題を考えていくのは大変ですが、
「こう考えるとわかりやすい」
とか
「こう考えると答えが出やすい」
など。
フレームワークは必要な視点を、網羅的に検討でき、かつロジカルに構成されている道具でありビジネスの考え方や整理の方法ともいえます。
あくまでビジネスの問題解決のための道具と言えますが、先人の知恵が詰まったこのようなツールを活用することで状況の把握や問題解決のスピードが格段に高まります。
これからPRのプロフェッショナルを目指す広報PRパーソンにとってもこれからご紹介するフレームワークを日常的に使いこなせるようにしたいものです。
3C分析
3C分析は、企業や事業を分析する際にコンサルタントが非常によく利用しているフレームワークの1つです。
多くの情報やデータをこのフレームワークで整理すると、状況をすっきり理解することができ、シンプルですが使いやすく効果も高いと言われています。
限られた時間の中で事業内容を検討する必要がある場合などに有効です。
経営戦略やマーケティング戦略の立案にも有効とされ、事業成功のカギやマーケティングの方向性に関しての知見を得ることができます。
3Cとは、
市場・顧客(Customer)
競合(Competitor)
自社(Company)
のことで、これに流通チャネル(Chanel)を加えて4Cとする場合もあります。
①市場・顧客(Customer)
マーケティング戦略を立案する場合には、最も重要なポイントになります。市場というマクロな視点と顧客というミクロの視点を持つことが必要です。
(おもな着眼点)
市場規模、成長性、市場の構造、成熟度顧客特性、セグメント、ニーズ、購買プロセスや特性、志向、購買決定要因、購買決定者 など
②競合(Competitor)
経営上重要な競合の状況を収集・分析します。
競合の戦略や提供価値、強みや弱みなどをはじめ、売上高、市場シェア等の経営に関する内容なども分析します。市場に出回っている商品やサービスなどの場合は分析しやすいものの、その他の情報収集は困難な場合もあります。
できるだけ公開情報の収集や顧客や取引先から間接的に情報収集する、など地道に収集することが必要です。
(おもな着眼点)
競合の戦略、商品サービスの特徴、強み弱み、シェア、参入障壁など
③自社(Company)
自社のビジネスについて、ヒト、モノ、カネ、情報の視点で定性・定量的に分析します。
(おもな着眼点)
販売力、市場シェア、技術力、人材、ブランドイメージ、差別化ポイントなど
④流通チャンネル(Channel)
マーケティング利用している媒体や卸・小売、配送などの流通構造やパートナーなど。
3C分析で気をつけたいのは、競合分析に気が取られるあまり最も重要な顧客の視点が抜け落ちてしまうことです。
まず第一に自社の商品やサービスが顧客を満足させることができる価値を提供できるかどうか、その次に競合に対して優位性を保てるかどうか、そして最後に自社の視点があります。
優先順位は、①顧客、②競合、③自社となります。
SWOT分析
SWOT分析は、経営戦略やマーケティングなどの分野で有効な分析手法です。
SWOTとは、自社内部からみた
強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)
外部における
機会(Opportunities)脅威(Treats)
の頭文字からとっています。
3C分析の競合(Competitor)、市場・顧客(Customer)の時系列の変化に注目し、将来のマーケットやニーズの課題やリスクを明確にします。
SWOT分析は、実施する前に達成したい内容を明確にして、その目的を達成するための要因を洗い出していきます。
横軸に内部×外部、縦軸にポジティブ(好ましい傾向) ×ネガティブ(好ましくない傾向)という2つの軸のマトリックスで整理していきます。
外部要因に入る要素は、マクロ、業界の環境、市場・顧客や競合の環境など。
内部要因は、ヒト、モノ、カネやバリューチェーンでみたときの自社の特長など。
そして自社が保有する資源の中で、強み(長所)と弱み(課題)など内部環境を洗い出していきます。
さらに、自社を取りまく外部環境の中で機会となるトレンド(追い風)と脅威となるトレンド(向かい風)を書き出していきます。
これにより、強みはより伸ばすことができるか?
弱みはいかに克服することができるか? 強みに変えられないか?
機会はどう活かすか? つかむことができるか?
脅威は回避できるか? 弱めることができないか?
などを検討していきます。