広報宣伝担当者・PRパーソンが知っておきたい新聞メディアの作られ方
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新聞がつくられるプロセスを知る
日本は海外と比べても、新聞の普及率が非常に高い国です。
年々発行部数は減っているとは言え、ネットで新聞社の記事が多く読まれ、かつその信頼性はいまだにとても高いものがあります。
今後、デジタルシフトにより全国紙などの新聞社の記事はますます重視されていくことと思います。
その新聞記事ができるプロセスを知る事は、広報担当者やPRパーソンにとって基本的なスキルとなるのでしっかり押さえておきたいところです。
<新聞記事ができるプロセス>
①現場の記者が記事を書き本社に送る
②デスクが原稿チェック、手直し、再取材等の指示を出す
③デスクは記事の選択を行い整理部に渡す
④整理部が記事の見出しや紙面のレイアウトを決める
⑤同時に校閲部で文章や表現の訂正をする
⑥印刷に回す
というのが基本的な流れで、新聞紙面が作られていきます。
デスクは経験豊富なベテラン記者で、その名の通り本社のデスクに座って現場の記者から上がってくるどの記事を取り上げるか
を決める担当面の責任者といえます。
各部に数名程度おり、日替わりで朝刊版、夕刊版を担当するローテーションを組んでいます。
このプロセスを知った上で、広報担当者やPRパーソンが気をつけるべきこととして、取材した記事が一旦記者の手を離れると、
コントロールが効かないと言うことです。
記事が採用されるかボツになるかや、記事のタイトルや大きさ等は、デスクや整理部が決めるので、記者に記事がいつ出るのか
とか、記事の見出しなども注文をつけるのは見当違いなわけです。
新聞が作られるプロセスを知った上で、記者にもプロとしての対応を心がけたかけたいものです。
新聞がつくられるプロセスを知る(2)
新聞は朝刊、夕刊をいくつかの版に分けて制作、印刷されています。
新聞を配達する時間の関係で、本社から遠いとこから早い順に、
①朝刊 11、12、13、14版(新聞社により12、13、14版の3回も)
②夕刊 2、3、4版(新聞社により3、4版も)
最終入稿の時間は、夕刊が13時半、朝刊が午前1時半ごろとなっていて、これは各社のスクープ競争防止のための「降板協定」
によって各社横並びになっています。
大まかには、
①午前1時頃までのニュース→朝刊
②午後1時頃までのニュース→夕刊
ととらえておくと良いでしょう。
ただし、トップ交代やM&Aなど大きなニュースは時間に関係なく記事になります。
新聞記事は各版ごとに記事の入れ替わりがあり、 見出しなども変わってきます。
また、東京、名古屋、大阪、西部など4つの本社を持つ全国紙などの場合、それぞれ朝刊を発行しているので、1日で16種類の
朝刊が発行されていることになります。
広報担当者やPRパーソンは、このような新聞の制作プロセスを理解した上で、記事を朝刊か夕刊に出すかによって情報提供や
取材のタイミングを検討ことが必要です。
一般的には、朝刊で夕方の6時位まで、夕刊で午前10時位までに取材を済ませておかないと記事になりません。
できれば、情報提供は朝刊向けには前日の午前中、夕刊向けには前日中にしておきたいところです。
ただし最近、各社のデジタルファースト体制により、最終版を待たずに夕方に電子版でスクープ発表するようになりました。
また、経済産業紙や業界紙などは通常夕方の17時ぐらいまでに締め切るので、情報提供は午前中。
共同通信などの通信社は、逐次配信するので基本的に締め切りはありません。