広報担当者・PRパーソンのためのパブリック・リレーションズ(PR)戦略⑥
パブリック・リレーションズ戦略(11) <ステップ6> PR活動の評価(3)
近年のPRへの効果測定では、
情報の提供→意識の変化→行動の変化
というプロセスまで求められるようになってきています。
報道記事の数や広告換算額を集めても、行動変化を起こした数はわかりません。
そこで、PRの目的や目標に応じた評価指標を事前に設定しておくことが必要になります。
これまでは、この行動の変化を調査で引き出すことが難しかったのです。
しかし最近では、ネット上でユーザーの行動履歴や購入履歴等を入手しやすくなり、またソーシャルメディアでのモニターから定量、定性分析などがしやすくなりました。
これらのツールを利用しながら、各社のPR目標に応じた効果測定方法を検討していくのが1つの対処方法になると思います。
さらに、期待通りの効果が得られなかった場合の対処法として、以下3つの段階にわけてポイントが提示されています。
①戦略策定の段階
戦略を作成したときの現状分析などに間違いや思い込みがなかったか。
②準備や実施段階
設定されたPRプログラムが戦略通りに実施されたか。
③効果測定の段階
PR目標を達成されたかどうかの効果測定方法に間違いがなかったか。
パブリック・リレーションズ戦略(12) <ステップ6> PR活動の評価(4)
パブリック・リレーションズ(PR)の活動評価と測定は、次につながる戦略的なPR計画の策定に活用します。
特に、最初に設定するPR目標が明確に測定可能なものでないと、効果測定がうまくおこなわれない場合があります。
PR目標が曖昧であったり、設定した数値が実現不可能のようなものなど。
現在も広報活動の評価の中心は、マスコミでの報道数やボリューム、記事の好意度(プラス、マイナス、ニュートラルなど)などが中心になっているようです。
今後より戦略的なPR活動を実施していくために必要なPR活動の評価と測定の手法に活用したい手法はおもに下記のようなものがあります。
①メディアモニタリング
②報道分析
③外部データの活用
④自社での調査の実施
⑤ソーシャルメディアの分析
パブリック・リレーションズ戦略(13) <ステップ6> PR活動の評価(5)
今後より戦略的なPR活動を実施していくために必要なPR活動の評価と測定の手法に活用したい手法には以下のようなものがあります。
①メディアモニタリング
報道された記事や映像の収集だけでなく、記事の内容を分析することがPR活動評価には必要になる。
・記事の内容(好意的、非好意的)
・インプレッション(発行部数、視聴率、PVなど)
・メッセージの露出など
②報道分析
外部の調査会社などを利用して、メディアモニタリングよりも報道内容の分析をより詳細に評価する。
報道記事の数量だけでなく、ターゲットにメッセージが伝わっているかなどまで分析可能。
③外部データの活用
メディアやリサーチ会社等が調査分析した公開データなどを利用する。
④自社での調査の実施
インターネットを利用したマーケティングリサーチや顧客調査、メディアオーディットなどを活用する。
⑤ソーシャルメディアの分析
今後ますます影響力が拡大していくことが予想されるソーシャルメディアの分析は、PR活動の評価や測定に非常に重要な要素になっている。
PR活動の分析や評価など効果測定は、トップマネジメントのPRへの意識を高めたり、IR(報道と株価の連動)やクライシスへの対応などにも活用されています。
今後、国内でもPRの役割が経営機能の一部として取り入れていく企業が増えていくことが予想されています。
PRの効果測定においても、ネット社会に対応したAIやデータ活用なども求められることになるでしょう。