広報担当者・PRパーソンが知っておきたいマーケティングの基本とは?⑤
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広報・PRパーソンのためのマーケティングの基本~3C分析とは?~
マーケティングを実施していく上で最初のステップとなるのは、自社を取り巻く世の中の動きを把握することです。
このような環境分析にはおもに、3C分析とSWOT分析を用いることが多いです。
まず3C分析は、市場・顧客(Customer)競合(Competitor)、自社(Company)という分け方で世の中を見える化する方法です。
この3つのCで現在の状況を整理することで、自社を取り巻く環境が把握しやすくなります。
①市場・顧客(Customer)
自社のビジネスを取り巻くマーケットや顧客の情報を収集・分析します。
顧客やマーケットの価値観やニーズの変化など数値やファクトを収集し、時系列でまとめたりします。
また、顧客の細かな属性(年齢、性別、職業、年収、趣味嗜好、居住地域など)なども出来るかぎり収集します。
②競合(Competitor)
競合他社を特定し、各社のビジネスを把握します。
この場合、競合は同業他社とばかりでなく異業種からの参入もあるので必要に応じてこちらも設定します。
競合他社の市場シェアや特徴、実施されている施策の内容や戦略などもわかれば把握します。
③自社(Company)
まず、自社が持つ経営資源(人、モノカネ、情報など)を整理します。
また、マーケットや顧客のニーズ、競合と比べてどれだけ評価されているのか。
さらに、売り上げ規模やシェア等の情報を把握します。
これら3つのCの情報を収集整理していく過程で、マーケットや競合と自社との位置づけが見えてきたり、顧客のニーズが明確になってきたりすることがあります。
広報・PRパーソンのためのマーケティングの基本~SWOT分析とは?~
マーケティングの環境分析で、3C分析とともによく利用されるのがSWOT分析です。
SWOT分析は、PR戦略を策定する際の状況分析にもよく活用されます。
3C分析で把握した、市場・顧客、競合、自社に加えてSWOT分析をおこなうことで、将来の課題やリスクが明確になります。
SWOT分析は、
自社内部の
強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)
外部の
機会(Opportunities)、脅威(Threats)
の4つに分けて整理します。
まず、内部の経営資源の強みや弱みをできるだけ書き出してみます。
この強みと弱みを見直した上で、今後どのような取り組みをしていくかを検討していきます。
3C分析の自社(Company)を時系列で見直していくことでもあります。
自社外部の機会と脅威については、今後のマーケットやテクノロジー、社会の動き、人口動態や消費者の変化などによって、自社にとってチャンスとなるものや脅威となるものを抽出してみます。
このように整理しておくことで、チャンスやリスクへの対応の準備が可能になります。
3C分析の競合と市場顧客など外部の動きをさらに時系列で捉えていくことになります。
以上のようにSWOT分析で内部、外部のプラス要因、リスク要因を整理分析しておくことで、将来的な自社にとってのチャンスをとらえることが可能になります。
広報・PRパーソンのためのマーケティングの基本~マーケティング戦略の策定~
3C分析やSWOT分析などの環境分析をおこなうと、現在自分たちが置かれている状況と目指す方向性などが見えてきます。
この将来の姿(目標や目的)にどのように近づいていくかが戦略策定の目的になります。
マーケティングでは具体的に、誰に何を提供するかを明確にすることです。
このステップでよく利用されるのがセグメンテーション、ターゲティングポジショニングという手法です。
セグメンテーションというのは、マーケットや顧客を細分化していく方法です。
ターゲティングはセグメンテーションで細分化したマーケットや顧客の中で自社のターゲットになりそうなところを特定していきます。
さらにポジショニングでは、ターゲットが自社の商品やサービスを購入してくれるような立ち位置を明確にすることです。
この3つの手法は、それぞれ別々に順番に考えるというよりも、各手法を同時に取りくみながらつながりを意識していくと整理しやすくなります。
ポジショニングを整理していく過程で競合との差別化やターゲットが明確になる。
また、環境分析での3CやSWOT分析をしながらターゲットやポジショニングが見えてくることもあります。
このようなプロセスと通して、ターゲットと商品・サービス(メッセージ)が明確になってきます。