広報・宣伝担当者が日経新聞に記事掲載を狙うためのPRの基礎知識(全国紙との違い)
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日経と全国紙の体制のちがい
企業の広報担当者にとって日経新聞は、ビジネス社会への影響力という点で、他の全国紙とは異なる存在と認識している
ことが多いと思います。
カテゴリーとしては、全国紙と同様一般紙の部類に入りますが、大きな違いは、他の全国紙の経済部がカバーしている分野が
細かくわかれているということです。
日経の経済関係のおもな部署としては、経済部、企業報道部、証券部などがあり、企業の情報をメインで取材しているのは
企業情報部になります。
ただし、決算や財務、株価等は証券部が担当するなど、同じ企業でも複数の部署が取材をしていたりします。
ちなみに経済部は、日銀や金融機関、経済官庁や団体等が担当になり、一般企業は担当していません。
また担当記者は、上場企業には必ず1人ずつおり、ストレートニュースを中心に記事を書いています。
日経の記者が他の全国紙の記者との大きな違いは、経済ネタに対する捉え方です。
新聞、通信社、NHKの記者はスクープをとることがすべてですが、経済ネタは日経の記者に先をこされてもやむを得ないと
いう意識があるといわれます。
逆に言うと、日経の記者にとって経済ネタを一般紙に抜かれると、ダメ記者扱いされるということも。
そのため、まだ正式決定や発表内容が固まる前に報道してしまう「飛ばし記事」が書かれることがあるのです。
こういった記事の場合、よく
「〇〇の方針が固まった」
「〇〇のような方向で検討に入った」
などの表現で記事が書かれています。
日経と全国紙の記者の違いとは?
日経の記者の配属は、他の全国紙とは異なります。
全国紙やHKの記者は、入社するとまず地方の支局に配属されます。
支局では、まずサツまわりと呼ばれる警察担当になることが多く、地域の社会や経済、政治などジャンルを問わず取材をおこないます。
その後、本社の経済部に配属されて企業の取材を担当します。
これに対して、日経の記者は大半が新人として東京や大阪、名古屋などの本社や支社の産業グループ配属されます。
各グループに配属された新人記者は、専門知識を身につけながら企業を中心とした取材を担当していきます。
そのため、日経の記者は他の全国紙と比べると、年齢が若い記者が多いのが特徴といえます。
さらに、全国紙の場合は前述したように地方支局でサツまわりから始めるため、企業の不祥事等のニュースを取り扱うことも多く、
比較的企業にネガティブなイメージを持ちやすいという傾向もあります。
これに対して、日経の場合はこのような経験がないため、企業に親近感を持っている記者が多いようです。
日経の記者は「ブン屋臭」がしないといわれるのもこのためでしょう。
また、企業の広報担当者にぜひ知ってほしいのは、ネガティブな記事が出そうになったときの対応です。
このような場合、企業の幹部や広報が広告出稿の停止を名目に、記者や新聞社に圧力をかけで記事を止めようとしたりすることがあります。
大量の広告出稿などをしている企業かすると、効果的な方法と思われるかもしれませんが、これは無意味どころか逆効果です。
新聞社の編集部にいる現場の記者は、デスクや部長なども含めて基本的にはこのような脅しとも取れる態度には反骨心をむき出しにしてきます。
記事で倍返しされることも覚悟した方がいいでしょう。