広報担当者・PRパーソンが知っておきたいパブリック・リレーションズ(PR)とは?⑯
- PRコンサルタント講座検定・講座

インターネットの時代がパブリック・リレーションズ(PR)にもたらした変化には様々なものがありますが、おもなものとしては
①双方向性・リアルタイム性の強化
パブリック・リレーションズ(PR)の特長の1つに双方向性があるが、ネット時代にはソーシャルメディアを中心にさらに加速しており、かつリアルタイム性の傾向が顕著になっている。
②情報発信主体の増加
ネットを通じて個人や小さな組織などが情報発信することが可能となり、マスメディアの影響力は相対的に低下している。
③リスクの増加
企業にとっては、ネガティブ情報がネット上で広がり、自社のブランドを低下させるリスクが増えた。
などが挙げられます。
特にソーシャルメディアの台頭は、広報担当者やPRコンサルタントなどにとっても対応が重要になってきているメディアといえるでしょう。
また、対面のコミニケーションに比べるとネット上のコミュニケーションでは伝達される情報量が少ないと言われており、PRの実務家はその点を含めたマネジメントの必要性も指摘されています。
ソーシャルメディアは、2000年代前半のブログの普及からコメントやトラックバック(リンク)により1方向から双方向性に変化してきました。
ソーシャルメディアには様々な分類方法があるようですが、現在おもに下記のようなものが中心になっています。
①SNS
Facebook、Twitter、Instagram等
②動画共有サイト
YouTube、ニコニコ動画など
③ブログ
アメーバブログなど
④レビューサイト
アマゾンレビュー、価格.com、アットコスメなど
⑤その他
はてなブックマークやクックパッドなどの共有型。
ウィキペディア、ネイバーまとめ、2ちゃんねるなどの集合知型など。
特に、①のFacebookやTwitterなどのSNSの活用は、すべての企業にとっても急務といえます。
ソーシャルメディアは共通の友人を通じて新しいつながりを多方向に広げていくという特長を持ちます。
このネットワークは、お互いに属性の近い者同士で情報がつながり伝搬していくというところがポイントです。
さらに、ネット上でつながりが構築されていく動機を理解するには、有名なマズローの欲求の5段階を理解しておく必要があります。
※マズローの欲求の5段階の解説
つまり、ソーシャルメディアを利用することで情報の共有によって
人とつながる
→承認される
→自己実現
まで活用することが可能です。
ソーシャルメディアはこのように、マズローのより上位な心理的欲求を満たしていくためのツールの1つとして利用しているともいえるわけです。
広報担当者やPRコンサルタントなどPRの実務家は、ソーシャルメディアが広がるこのような背景を理解した上で、自社のソーシャルメディアの活用に効果的に活かしていくことが求められます。
ネット時代には、人々の行動プロセスにも変化をもたらし、マーケティングの分野ではAISASモデルを代表にした提案されています。
※AISAS
電通が提唱する、ウェブを日常的に利用する消費者の 購買に関する心理プロセスをあらわした言葉。
Attention(注意)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)
の順に意思決定が行われていると考え、それぞれの単語の頭文字をつなげている。
この場合、それぞれのプロセスに合わせたメディアやツールを当てはめて、注目、関心から購買、情報共有までの流れを設計します。
マスメディアやソーシャルメディア、オウンドメディアの活用が中心になる事が多く、ここでもPRがマーケティングに利用される余地が広がっています。
また、ネット時代のコミュニケーションやマーケティングでは、コンテンツが非常に重要な要素になってきています。
特に、ストーリー性のある情報は、情報の受け手である顧客やメディアなども受け入れやすいという特長があります。
PRの実務家はYouTuberやブロガーなどインフルエンサーとのリレーションでも、このストーリーテリングを活用することが有効です。
また、ネットリレーションズの特徴として、キャンペーンの効果測定などにアクセス解析を利用することができるところにあります。
情報の発信とともにアクセス解析もリアルタイムにおこなうことができるので、キャンペーン等の仮説→実施→検証 といったプロセスをスピーディーに実施し、コンテンツやメッセージの変更等を柔軟におこなうことができます。