広報担当者・PRパーソンが知っておきたいパブリック・リレーションズ(PR)とは?⑱
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メディア・リレーションズの目的は、企業の広報部門から見ると、自社にとって有利な報道を獲得し、多くのステークホルダーに受け入れてもらうことにあります。
メディアリレーションズは、
①関係構築の質
②提供する情報の質
の2つの質に分けられます。
①の関係の質は、メディアのジャーナリストとの関係を良好にするための活動です。
これらの活動によって、メディアは受け取った情報をニュースとして報道するかどうかを決定します。
その結果、報道されたものは報道の量と内容よって判断され、最終的に受け手となるステークホルダーの認知や態度、購買などの行動に変化を与えることになります。
メディア・リレーションズの活動がメディアに及ぼす関係構築の質と情報の質については、これまでも様々な指摘がなされています。
まず、①の関係構築の質については、米国ではプレスエージェントリーといわれる時代には、都合の良い情報だけを提供しようとする広報担当者とそれはあまり信用してないジャーナリストと言う構図が出来上がったそうです。
その結果、メディアの担当者等の反感や疑惑を招いたといわれています。
その後、企業の広報担当者などはジャーナリストとの良好な関係をつくるという方向に変化していきました。
国内でもこのメディア・リレーションズについては、プレスエージェントリーに近い活動から、メディアのジャーナリストとの良好な関係構築により信頼関係をつくるという活動になってきているようです。
情報の質については、報道に値するニュースバリューがあるかないかに尽きますが、ネガティブや重要性の高い情報や地元情報などなどより報道されやすいことなどが指摘されています。
また、メディアには議題設定をする機能(アジェンダ設定機能)があり、どの争点が重要であるかなどの認識には影響するといわれています。
また、それに対する態度の方向(賛成・反対など)や強さについてはほとんど影響与えない、という指摘がされています。
国内ではパブリシティというと、メディアからの報道を指すことが多いようです。
実際には、パブリシティという言葉の使われ方は、上記のように報道そのものを指す場合もあれば、メディアへの情報提供活動を指すこともあります。
また、マーケティングでは広告料が発生しないコミュニケーション活動と定義されることもあります。
基本的にはパブリシティは、メディアからの報道を目的にしたメディアへの情報提供活動で、1方向性のコミュニケーション活動になります。
これに対して、メディア・リレーションズは、企業などの情報発信者とメディアとの間の情報交換などコミュニケーション活動を通じて、相互理解と信頼関係を構築し、情報発信者にとって有利な報道を期待するものです。
そのため、情報発信者は対象となるメディアの報道や編集等の方針、記者、編集者の興味・関心等のニーズを把握した上で、適切に情報提供をおこなう双方向のコミュニケーション活動です。