広報担当者・PRパーソンが知っておきたいビジネス心理学(3)「ラポールの法則」
ラポールの法則(1)
ラポールとは、フランス語で橋をかけるという意味で、人と人とが親密な信頼関係になり、心が通い合った状態になる事を表す心理学用語です。
人はたとえ同じ内容であっても、話す人によって受け入れ方が変わってしまいます。
その人が話してる内容が正しいことだとわかっていても、それが信頼のおけない相手の話だとなかなか受け入れられることができないのです。
つまり、何を言うかというのと同じくらい、誰が言うかということが大事になります。
そのためには、あなたと話相手の間にこのラポールを作ることが重要になります。
ラポールの法則(2)
ラポールを築くためのテクニックには様々なものがありますが、ビジネスコミュニケーションなどにも取り入れやすいものに「類似性の法則」があります。
これは、自分と共通点や類似点の多い人には親しみを感じるというものです。
出身地が同じ、母校が同じ、趣味が同じ、ヤクルトファン…など
営業マンなどがお客さんと共通点を見つけることで、信頼関係を築いていくということが多いようです。
PRパーソンの中には、メディアを訪問して記者や編集者と会って情報提供したりするときに、雑談の中でこういった共通点が見つかると一気に距離が縮まるという経験をしたこともあるのではないでしょうか?
このように偶然ではなく、意識的におこなうには、メディア訪問でも営業でも、訪問前に相手の情報をできるだけ調べて、事前に準備するということが必要です。
自分が相手に関心を持っているということを示すことで信頼関係をつくります。
人は自分に好意を寄せる人を好きになる傾向がある。
と言われるように、まずは相手を好きになること。
さらに、最近の若者は自分を認めてくれてくれる人を好きになるという傾向が強いようです。
聴衆をつかむのが上手い講演者や政治家などは、地方での講演の前にその土地の名物や風土、その土地出身の著名人などを調べて褒めながら巧みに話を織り交ぜたりします。
ラポールの法則(3)
1対1のコミュニケーションでは、相手に質問をしながら共通点が見つかったらより深掘りして話をしていくと良いでしょう。
さらに、共通の経験を作ることもより相手との関係を良好にすることができる方法の1つです。
社内研修でキャンプをやるとか、昔から同じ釜の飯を食った仲間は一生の仲間になるみたいなことがいわれますか、このようなレア体験の共有は非常に結びつきを強くする効果があるといわれています。
また、自分自身をさらけ出してかっこつけない、自分らしくいることなども相手とラポールを築く有効な手段です。
イベントの舞台などで自分の綺麗な奥さんを紹介するよりも、年老いた母親を紹介した方が好感をもたれるというのも有名な話です。
この例と同様に、自分の弱みや失敗談などをさらけ出すことが、相手と信頼感を高めることにつながります。
人は上から目線の人には反抗したくなりますが、自分より劣っているものには逆に距離が近くなるという心理があります。
さらに、時間や納期等小さな約束を守る、専門的な知識を豊富に持っている、ということも相手との信頼関係の構築には有効です。