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広報担当者・PRパーソンが知っておきたいビジネス心理学(4)「メラビアンの法則」

メラビアンの法則(1)

メラビアンの法則は、1971年に心理学者のアルバート・メラビアンが提唱したコミュニケーションに関する概念です。

 

 

人は第一印象が大事だということで「人は見た目が9割」の根拠とされています。

 

しかし、これについてはかなりメラビアンの法則が拡大解釈されているともいわれています。

 

実際は、メラビアンの実験では、言葉と表情、態度が矛盾してる状況で、人はどんな印象を抱くのかということが検証されました。

 

 

たとえば、口では楽しいと言いながら、表情が不機嫌で声のトーンが低いなど。

 

このような実験と検証を繰り返して提唱されたのが、3Vの法則というもので、言語情報(Verbal)、聴覚情報(Vocal)、視覚情報(Visual)の頭文字をとっています。

 

 

 

メラビアンの法則(2)

メラビアンの法則で提唱された3Vの法則、言語情報(Verbal)、聴覚情報(Vocal)、視覚情報(Visual)各情報の影響度は下記のように示されました。

 

 

①言語情報 7%

 

相手の話す内容は言葉そのもので、言語(Verbal)コミュニケーションという。

 

文書やメールなど言葉のみを使ったコミュニケーションは伝えたい内容を正確かつ明確に伝えることができる。

 

ただし、非言語(Non Verbal)コミュニケーションに比べると、気持ちや感情を伝えるのが難しい。

 

 

②聴覚情報 38%

 

相手が話す声の大きさやトーン、話す速さや話し方など。

 

視覚情報と同様に非言語(Non Verbal)コミュニケーション。

 

視覚情報と合わせると、9割以上が非言語(Non Verbal)コミュニケーションの情報が占める。

 

 

③視覚情報 55%

 

相手の表情や態度、しぐさや視線といった見た目から受け取れる情報。

 

非言語(Non Verbal)コミュニケーションにあたり、言語化しにくい気持ちや思いといった情報を伝えやすい。

 

この割合をとって、7-38-55のルールと呼ばれることもあります。

 

 

これを持って、言語コミュニケーション(Verbal)よりも非言語コミュニケーション(Non Verbal)の方が重要である、

 

「話の内容よりも見た目は大事」

 

と数字だけが一人歩きして解釈されたものが広まってしまったようです。

 

 

しかし、メラビアンの実験は、好意や反感など感情を伝えるコミュニケーションで矛盾した話がされた場合に、聞き手はどの情報を優先されるか、というものを検証したものです。

 

つまり、感情を伝えるコミュニケーションに限定的したもので、すべてのコミュニケーションに当てはまるものではないということです。

 

 

 

 

メラビアンの法則(3)

このメラビアンの法則をコミュニケーションで生かすには、視覚、聴覚、言語の3つのVを活用して相手に的確に伝えることです。

 

 

この3つの情報をピタリと揃えれば、伝わりやすくなるというわけです。

 

たとえば、悲観的なことを伝える場合は、あえて声のトーンを低く、危機感をあおるような声で悲しい表情を浮かべる。

 

 

そして、その後の解決策を伝えるときには、反対に明るく、前向きな言葉で笑顔で伝えるなど。

 

 

話の内容そのものが重要である事は当然で、その上で身だしなみや話す態度や表情、ボディランゲージなどの非言語のコミュニケーション動員します。

 

これによって、伝えたいメッセージをさらに強化してコミュニケーションを高めていくということです。

 

 

特にビジネスでは、営業やプレゼンテーション、接客などでメラビアンの法則を生かすことができます。

 

 

営業やプレゼンテーションでは、話の内容に合わせて話す速さや声のトーン、表情や身振り、手振りなどを意識したりする。

 

 

接客などでは、顧客に配慮した服装や、明るくハキハキした声のトーンを意識して好印象を与える、など。

 

また見た目の清潔感や、笑顔などは非常に重要です。

 

笑顔をつくる専門の接客研修が非常に人気であるというのも頷けます。

 

 

また別の実験では、人の印象は最初の7秒で決まり、後々それを覆すが異常に難しいという結果もあるようです

 

「人は見た目が9割」というのは極論とも言えますが、非言語(Non Verbal)の重要性を意識して、人の心を動かすようなコミュニケーションを心がけることが、メラビアンの法則を生かすことといえそうです。

 

PR先進国といわれるアメリカの大統領の記者会見では、このような非言語情報の活用はもとより、ネクタイの色や背景の構成など細部までメッセージに合わせて演出するそうです。

 

記者会見などでは言語情報はもとより、声のトーンや大きさ、ボディランゲージなど視覚や聴覚などの情報についても気を使うことを示しています。

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