広報担当者・PRパーソンが知っておきたいSNS時代の最強PR手法「ストーリテリング」⑤
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iPhoneの生みの親であるスティーブ・ジョブズ氏のスピーチは世界中に広がりました。
そこには、ストーリーテリング型のスピーチであったことが主な要因だったと言われています。
商品やサービスの特長を説明してもなかなかモノが売れない時代にはこのストーリーテリングの力を有効に活用したいものです。
ストーリーテリングの効果としては主に下記のようなものが上げられます。
①イメージが伝わりやすい
ビジネスでは、数字やファクトが重視される事は当然ですが、ただ事実を伝えただけではなかなかメッセージが伝わりません。
そこで、この商品やサービスを使うことでどんなことが起きるのか。
などをストーリーとして示すことで、顧客の頭の中に自分がその商品やサービスを利用しているシーンをイメージしやすくなり、価値が伝わりやすくなります。
②共感度がアップする
プレゼンテーションなどで具体的な例などを盛り込んでいくと、顧客等の受け手は無意識にその情報を自分ゴトとして捉えていきます。
SNS時代には、この共感が非常に重要なポイントになります。
③記憶に残りやすい
数字やファクトなどを並べられるより、ストーリーとして提供された情報は、前述したイメージや共感度の高さから記憶に残りやすい。
子供の頃に物語で読んだ本の内容をいつまでも覚えていることがあるように、数字やファクトはストーリーの中に織り交ぜて提供すると記憶されやすくなります。
このようにストーリーテリングは、数字や事実で伝えるよりもメッセージを記憶に残すとこができ、ビジネスのさまざまなシーンで有効なのです。
広報PRパーソンにとって、ストーリーの活用は、最も身近なメディア・リレーションズの部分では、雑誌(オンラインメディア)やテレビなどに有効でしょう。
新聞などストレートニュースが中心のメディアには、客観的な情報提供が中心になります。
さらに、ビジネスの場面でストーリーテリングが有効な場面ていうのがあります。
(1)数字等を印象づけたい時
たとえば、記者発表会発表会や人材採用の説明会などで、売り上げが前年比20%アップということをアピールしたい場面。
ストレートニュース的に数字だけを発表してもあまりインパクトがありませんが、そこに至るまでの変化の過程にはストーリーがあったはずです。
売り上げ20%アップにまで至ったストーリーを語ることで、聞き手にインパクトを与え響く数字にすることができます。
また、人材採用の場面では、例えば自社の離職率が30%に近かったものが5%まで低下した、というアピールしたい場合。
業界の平均離職率に比べても非常に高い離職率であったことに危機意識を持った会社の担当者が、原因の究明と対策を取ることに奮闘をして成果を上げた。
というようなストーリーを語り聞き手はドラマを期待します。
客観的な漠然とした数字も、このようにストーリーの中で伝えることで、非常に印象づけることができ、企業に対して好印象を与えることができるのです。